通販で中古を購入したペリカンのスーべレーン M400(Fニブ)。
購入当初は特に問題ないと思っていた書き味ですが、どうも使っていくうちに書きにくいと感じるようになりました。
ペン先をまっすぐにして書くと滑らかにインクが出るんですが、ペン先をちょっと左にねじるとインクがかすれる。
同じFニブの万年筆や、より大きいMニブの万年筆と書き比べると、明らかにペン先がシビア。
そこで僕が住んでる熊本でペンクリニックが開催されないか調べてみると、甲玉堂さんで11月に開催されるとのこと。
あと2ヶ月以上も我慢できなかったので、郵送で調整してくれるPen and message.(ペンアンドメッセージ)さんにお願いすることにしました。
実はペンドクターの川口さんにもお願いした
ペンアンドメッセージさんにお願いする前に、実はペンドクターの川口明宏さんのところにお願いしてました。
- 軽くペン先を走らせるとインクがかすれる
- 書き出しでインクが切れることがある
この2点をメモして川口明宏さんのFaceBookに記載の通りにして発送。
万年筆のインク入れたままでOKです。
その後、川口さんのスタッフの方からメールが届いて、ペンを確認したところペン先調整で済むとのことで価格は3,500円。
すぐに入金して2週間後に戻ってきたのがこちら。
レターパックプラスで届きました。
封筒とプチプチの塊が出てきました。
納品書 兼 領収書と川口さんのメモが入ってました。
川口さんのところでは、調整費用だけだと3,500円。(川口さんが確認後、別途費用がかかる場合はその旨メールで連絡してくれます)
これに消費税と返送料も込みなので、かなり良心的な価格です。
調整後のM400。ものすごくキレイに梱包されてました。
インクを入れて書いてみると、インクフローはものすごくたっぷりで、書きはじめのカスレはもちろん、軽く走らせた時もかすれることなく書けるようになってました。
ただ、ペン先を左右にちょっとひねって書くと、ペン先が紙に引っかかるようなザラつきを感じる。送る前はザラつきはなかったはずなのに…。
万年筆はちょっとザラつきがあった方がいいという方もいるようですが、僕はザラつきはいらないので、これはちょっとどうするか悩みました。(川口さんの調整がこのザラつきがベースなのかもしれません)
おそらく、川口さんが対面で調整してくれてるのなら「ちょっとザラつきを感じます」とか言えるのでいいんですが、これが郵送調整のはがゆさですね。
僕がきちんとどういう書き味が好みかを伝えておけば起きなかったことです。
おそらく、連絡すればまた調整してくれると思いますが、また2週間以上かかる。さらに、また好みじゃなかった時がとても面倒。
というわけで、いろいろ調べてもう1箇所、郵送で調整を手ごろな価格でやってくれるペンアンドメッセージさんを見つけたんです。
おまかせ調整が僕好み!
川口さんとこにM400の調整をお願いしている間に、実はパイロットのカスタムカエデを購入しました。(レビューはまた後日)
いつもならAamzonで買ってますが、ペン先調整でいろいろ調べてる時にペンアンドメッセージさんのサイトを発見。
ペンアンドメッセージさんでは、ペン先調整だけでなく、各メーカーの万年筆をきちっと調整してから販売してくれます。
ペン先調整して販売してくれるのは、東京の金ペン堂さんとかフルハルターさんも有名です。
ペンアンドメッセージさんでは、ペン先調整だけでも請け負ってくれるので、その調整具合を知りたかったので、カスタムカエデを「おまかせ調整」でオーダーしました。
ペンアンドメッセージさんの調整には、
- 標準調整
- おまかせ調整
- オーダー調整
の3つがあり、「1.標準調整」はペン先を紙に置くだけでインクが出るよう調整してくれるもの。ペンポイントの研磨は最小です。
「2.おまかせ調整」は、標準調整からさらに標準的な筆記角度、書き方に合わせてペンポイントにスイートスポットを作ってくれる調整。より気持ちよく筆記するための調整です。
「3.オーダー調整」は、独特な筆記角度、ペン先の向きに合わせて、書き癖にあった調整をしてくれるもの。
僕は特に書き癖もなく、普通の持ち方だったので「2.おまかせ調整」でカスタムカエデ(Mニブ)を買ってみたんです。
ペン先を紙に置いて軽く動かすだけでインクが豊かに出てくる。
左右にちょっとひねってもザラつきなど皆無。
インクフローも申し分なし。書いた直後のインクがキラキラと輝いて本当に使ってて気持ちのいい万年筆でした。
このおまかせ調整なら、中古で買ったM400も僕好みになるんじゃないのか!と感じたので、M400を郵送修理に出してみました。
ペンアンドメッセージさんの郵送修理
まずは、ペンアンドメッセージのホームページ「お問い合わせ」にて、調整内容を記入して送ります。
どういう症状なのか、何が気に入らないのか、どういう書き心地が好みなのか、などなど、できるだけ具体的に書いておくと伝わりやすいです。
今回は、
- インクが出すぎて字が太い
- ペン先を左右にちょっとねじるとザラつきを感じる
という内容を書いて送りました。
後日、内容を確認後、担当の方からメールが届きます。
料金(調整料と返送料)と納期を確認したら、
万年筆を梱包して発送します。
誰の万年筆か分かるように、名前と住所と電話番号、さらに問い合わせで送った内容も添えました。
当初、上記写真のようなプチプチがついた封筒を使おうかなと思いましたが、表面にコーティングがしてあったので、宛先や閉じるためのガムテープがうまく貼れず。
結局はプラチナ万年筆に送った時と同じように、120円切手を長型40号の封筒に貼って送りました。
数日後に、万年筆が届いた連絡と一緒に入金方法が書かれたメールが届きます。
決済処理をして数日後、発送のお知らせメールが届き自宅に万年筆が届きました。
最初に問い合わせメールを送ってから10日ほどかかりました。
途中、こまめに連絡をいただいたので、とても安心して取引できました。
クロネコヤマトで届きました。
封筒には緑のインクで宛名が書かれてました。いい色です。
お手紙、調整カード、納品書、イベントのお知らせなどが入ってました。
お手紙と調整カード。
手紙の内容には、
- 平面が極端についていた
- 研ぎ直して丸く仕上げた
- 寄り加減も締めている
という調整内容が書かれてました。
送った側としては、この細かな説明がとてもありがたい。
平面が極端についてたからあんな症状だったんだとか、考えることもできるし、それに対してどういう対処を行なったのかも書かれてる。
対面のペンクリニックではないので、こういう一言がとてもうれしい。
右下にあるのは調整カード。1ヶ月間は無料で再調整してくれます。(送料は別途こちらが負担)
万年筆の梱包はというと…
パイロットの箱?
パイロットの万年筆の箱で届きました(笑)。
業務量で発注されてる空き箱だと思うんですが、これはちょっとウケました。
箱を開けると、M400がキレイに梱包されてました。
早速、インクを入れて書いてみると、
お手紙に書かれている通り、インクもいい感じに絞られて出すぎることもなく豊かなインクフローを楽しめました。
肝心の書き心地も、ザラつきは皆無!とても滑らかに文字を書くことができるようになりました!
万年筆の書き心地が気に入らないと、ずーっと気になってしまうんですよね。
これでM400に感じてたモヤモヤが一気に解消されました。
万年筆の郵送調整にかかった費用
今回、ペンアンドメッセージさんに依頼した郵送調整でかかった費用は…
- こちらから送った発送費・・・120円
- 調整費・・・3,500円
- 返送費・・・900円
合計で4,520円でした。
これで満足の書き心地になったので、個人的にはちょうどいい価格じゃないかなと。
感想まとめ
万年筆は店舗で試し書きして買うもの。
僕も最初はそう思ってました。
でも、実際に店舗に行くと価格が高い。高いというか定価で販売されている。
一方、Amazonや楽天市場などでは定価より2〜3割ほど安いものが多い。
そうなると、どうしても安い方にいきがちです。
実際に通販で10本以上は購入してますが、書き心地がおかしかったのは3本ほど。
1本は返品交換、1本はプラチナに調整依頼、そして3本目は今回のペンアンドメッセージさんに依頼しました。
これまでの経験上、ハズレを引く確率は3割ほど。
そんなに高い確率ではないですが、どうしても数が多くなってくるとハズレを引く可能性が高くなります。
そんな場合のために、今回のような郵送調整してくれるところを知っておくと、安心度が違います。心強いです。
特に、ペンクリニックが開催される頻度が低い地方では、郵送調整してくれるところはとてもありがたい。
これからも、通販で万年筆を書く機会がもっと増えそうです。